経口負荷試験について

経口負荷試験について

      検査当日は、午前8:40~9:00までにクリニックへお越しください。
       朝食は食べていただいてかまいませんが、軽めにしてください。
      *負荷試験に使う食品について

負荷試験で使用する食品を持参してください。

   ①卵黄・卵白の経口負荷試験のかた
     卵黄:沸騰したお湯の中で20分以上ゆでた固ゆで卵をつくっていただき、
        卵白と卵黄をただちに分けてもらいます。分けた卵黄の部分を持参してください。
     卵白:上記で作成した卵白部分を持参してください。

   ②乳orヨーグルトの経口負荷試験のかた
     牛乳:200mlの牛乳パックを1本持参ください。
     ヨーグルト:月齢や年齢であらかじめ指示をします。指示された商品を持参してください。

   ③ナッツ類の経口負荷試験のかた
     3歳以上を目安に行っています。単品で包装されている商品を購入していただきお持ちください。

   ④その他の食品(魚・大豆製品・肉類etc)
     およそ一食分に相当する量を調理した状態でお持ちください。

   ※経口負荷試験中はおやつを食べることはできません。お茶・お水は飲んでいただいて大丈夫です。

   ※卵白、牛乳などを初めて食べる場合、食べづらい時があります。
    そのため、卵白、牛乳などに好きな食品を混ぜて、味付けすると食べやすくなることが多いです。
    必要に応じて一緒に混ぜて食べる食品をお持ちください。
    例)ナッツ、卵白にはカレーなど、牛乳には、ジャム、シロップなど

  *内服している薬についての注意
   1.負荷試験に影響する薬剤(抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、)を3日前から中止してください。
   2.その他の内服薬を中止する必要はありません。

  *使用している軟膏、点眼薬、点鼻薬、吸入薬などの外用薬は中止する必要はありません。

  *当日は、あらかじめ処方されている誤食緊急薬を持参してください。(抗ヒスタミン薬、経口ステロイド薬)

  *かぜ、熱、下痢など体調が悪い時は検査を延期します。電話でキャンセルしてください。

  *当日は兄弟や姉妹の方は付き添うことができません。ご協力をお願いいたします。

1.検査目的

      ① 食物アレルギーの原因食物の診断:疑いのある食物が症状を誘発するか確認します。
      ② 耐性獲得の確認:食物アレルギーの多くは年齢が大きくなるにつれて治っていきます。経口負荷試験で、それまで除去をしていた食物の解除できるかを確認できます。
      ③ 食べられるものの幅を広げる:経口負荷試験で安全に食べられる原因食物の量がわかれば、食品によっては原因食物が含まれていても摂取を開始することができます。アレルギーの治療の基本は原因食物の除去ですが、食物除去に対する考え方が、「疑わしきは除去する」から「必要最小限の除去」へと、ここ数年で大きく変わりました。

2.検査方法

      ① 少量から負荷試験食品を食べる。その後、20分~30分間で症状が出るか観察します。
      ② 症状が出なければ、目的量に達するまで1回から数回に分けて食べ進めてゆきます。症状が出た時点で中止となり、必要に応じて治療をいたします。
      ③ 最後の負荷後、約2時間観察します。その後、帰宅ができるか判断します。
      ④ 帰宅後も症状が出ないか自宅で観察していただきます。帰宅後は、症状の観察ができるように、外出を避けるようにしてください。
      *負荷試験当日の激しい運動や熱いお湯への長時間の入浴はアレルギー症状を誘発する可能性があります。
      *安全確保のため、時間をかけて行います。およそ3~4時間かかります。帰宅後も観察が必要ですので検査当日は外出予定を控えてください。

3.下記のような場合は、他施設に紹介・入院をお願いすることがあります。

      ① 紅斑・蕁麻疹が広範囲に拡大し、帰宅後に皮膚以外の症状が心配される場合
      ② 激しい咳、喘息(ヒューヒュー・ゼーゼー)、声かれ、息苦しさ、血圧低下
      ③ 腹痛、嘔吐、下痢が反復する
      ④ 過敏症状が消えず、医師が必要と判断したとき

4.出現する可能性がある症状

      皮膚…紅斑(赤くなる)、かゆみ、皮膚がザラザラしてもりあがる(蕁麻疹)
      眼…眼のかゆみ、眼が赤くなる、眼のこすり、まぶたの腫れ
      口の中や喉と鼻…喉の違和感(イガイガ)、のどのかゆみ、鼻水、くしゃみ、鼻こすり
      呼吸器の症状…声がかすれる、のどや胸が締め付けられる、犬が吠えるような咳、持続する強い咳込み、ゼーゼーする呼吸、息がしにくい
      消化器症状…繰り返し吐き続ける、持続する強い(がまんできない)おなかの痛み、下痢
      全身の症状…唇や爪が青白い、脈を触れにくい・不規則、意識がもうろう、ぐったりしている、尿や便を漏らす
      *下線の症状は命にかかわることや後遺症を残す危険のある緊急性の高い症状です。自宅や外食でこのような症状を認めたら、安静にさせて救急要請が必要です。エピペンを持っているお子さんは使用してください。アレルギー症状の可能性があれば安静にさせることが基本です。

よくある質問

Q.検査の前に中止する薬は何ですか?

A.アレルギー疾患の治療に使用する抗アレルギー薬です。医療機関で処方されているもののほかに、市販の感冒薬にも負荷試験に影響を与える成分(マレイン酸クロルフェニラミン ・フマル酸ケトチフェン ・塩酸ジフェンヒドラミンなど)が含まれています。不明な場合は診療時間中に電話等でお問いあわせください。
上記の内服薬は負荷試験の3日前より中止をしていただきます。
吸入薬、軟膏、点眼、点鼻薬は使用可能です。

Q.抗アレルギー薬はいつから中止するとよいですか?

A.経口負荷試験の3日前から中止をしてください。
 例 6月13日に負荷試験の場合は6月10日から内服を止めてください

Q.咳と鼻水がありますが、検査はできますか?

A.負荷試験の前に医師が判断します。そこで、最終決定になりますので、検査の当日に熱等がなければ負荷試験の準備をして来院ください。

Q.経口負荷試験中は、普段食べているおやつなど食べてもいいですか?

A.症状が出現したとき、原因がわからなくなってしまいます。基本的に評価する食べ物だけにしてください。味付けに使用する場合、マヨネーズなど調味料を評価する場合は安全に食べられている実績のある食品につけてもらいます。

Q.複数の食品を一度に検査できますか?

A.即時型反応が出現した場合、どの食品によるアレルギー反応かがわからなくなってしまうため評価する食品は1品目ずつで行います。

Q.経口負荷試験で摂取できた食品は、給食ですぐに食べられるようになりますか?

A.しばらくの間、給食で食べる一食分に相当する量を家で食べてもらいます。運動や体調不良(感染症や生理)で症状が出現する場合があります。日常生活の中で想定されるさまざまなイベントが重なっても症状が出ないことの確認が必要です。